若小玉古墳群に含まれ、墳頂に地蔵堂が安置されていることから、地蔵塚古墳と呼ばれています。
墳形は方墳と思われ、築造時期は7世紀中葉と考えられています。
規模は、一辺約28メートル、高さ約4.5メートルとされていますが、近年の 調査でより大型の古墳である可能性が高いと思われます。
石室の形態は胴張りで、奥壁と天井石は緑泥石片岩(りょくでいへんがん)、他は安山岩の切石を用いています。奥壁及び側壁下には、根石が置かれていました。
遺物としては、石室内から鉄鏃(てつぞく:鉄製矢じり)片や須恵器片が少量出土しています。
最大の特徴は、左壁・右壁及び奥壁に線刻画が描かれていることで、烏帽子(えぼし)を被った人物、弓を引いている人物、馬、水鳥、家と思われるものが描かれています。
これらの絵からは、広々と広がる沼で鳥が遊び、舟に乗り、かいで漕ぎ渡る景色が想像され、この石室に葬られた人物の生前の姿を描いたと考えられます。