野原古墳は、荒川右岸の江南台地南東部に分布する野原古墳群23基中唯一の前方後円墳で、6世紀後半~末に造られました。高さ約5m、全長約40m、後円部径約16mを測ります。
「踊る埴輪」は、昭和5年(1930)に、この古墳から、畑の開墾中に発見されました。現在は、東京国立博物館に収蔵されており、おどけたポーズをとる数々のキャラクターグッズが販売され、日本で一番有名な埴輪となっています。
昭和37年(1962)には、埼玉県教育委員会により発掘調査が行われ、前方部と後円部の2箇所に凝灰岩切石積の横穴式石室が確認されました。石室内からは直刀・刀子・鉄鏃、墳丘からは人物埴輪・馬形埴輪・大刀形埴輪・朝顔形円筒埴輪等が出土しています。
発掘調査後は、土採りのため古墳は消滅してしまいましたが、令和4年(2022)に、隣接する八幡神社境内に踊る埴輪の石像が建てられています。