前方部南側周溝に開口する横穴式石室を持ち、殿塚古墳同様、二重の長方形周溝が巡っています。1956(昭和31)年の発掘調査によって、墳丘北側の中段テラスから50体近い形象埴輪が列をなすようにして原位置を保ったまま出土しました。山高帽のような帽子に美豆良と呼ばれるお下げ髪を肩まで垂らしアゴヒゲを蓄えた男子、島田髷を結い耳飾りや首飾りを身に着けた巫女と考えられる女子、馬具一式を装着した飾り馬とそれを曳く馬子など、精巧なつくりの表現力豊かな大型品で構成されています。人物を中心とした埴輪祭祀が盛行する古墳時代後期の関東地方を代表する埴輪群像であり、殿塚古墳の埴輪と共に令和6(2024)年8月に重要文化財に指定されました。